「傾聴」とは、相手に安心して話してもらうためのスキルです。
この記事では、コーチングの3大スキル(傾聴・承認・質問)の一つ「傾聴」について、スキル活用のポイントを詳しく紹介していきいます。
傾聴のスキルを使うポイント
ここからは、傾聴の具体的なポイントを紹介していきます。
ただ、スキルを使えばすぐにうまくいく…というわけではありません。
相手が安心して話せるかどうかは、日頃のコミュニケーションや話を聴く側の心のあり方からも大きな影響を受けるものです。
やり方を知ること以上に、やりながら自分に身につけていくことが大切だと感じています。(私も修行中です。)
実践を重ねながら、「傾聴力」を高めていきたいものですね。
聴く環境をつくる
傾聴のスキルの大前提として、聴く環境が整っていることが挙げられます。
- 話しやすい場所か
- 距離感は適切か
- 相手に集中できる環境か
相手に合わせて、話しやすい環境を選ぶ配慮から話を聴くことは始まっています。
もし、何か別のことをしているのであれば、手を止めて、顔を上げて、相手に向き合う姿勢を示したいところです。
穏やかな表情で接する
相手が話しやすい雰囲気をつくるために、聴き手の穏やかな表情も大切です。
笑顔はもちろん、悲しそうなときには悲しみ、怒っているときには怒りなど、相手の表情を鏡のようにまねることもできます。
これは、ミラーリングと言って相手の動作や表情などをまねることで親近感を与えるスキルの一つです。
相手の言葉に反応を返す
相手の言葉への反応とは、うなずきやあいづちを指します。
これらの行動は、相手に「あなたの話を聴いているよ。」ということを態度で示すものです。
「それから?」、「他には?」など問いかけることで、相手の話を広げることもできます。
相手の言葉をそのまま受け止める
相手の話を傾聴するときには、相手の言葉を受け止める(=受容)姿勢が基本です。
肯定も否定もせずに、相手の言葉をキャッチする言葉には次のようなものがあります。
受容の語彙
- なるほど。
- そうなんだね。
- そんなふうに思うんだね。
- そんな考えなんだね。
自分と異なる考えが飛んできても、しっかりと受け止めたいものです。
そうすることで、相手に「何を話してもいいんだな。」という安心感を感じてもらえます。
相手と同じ言葉を繰り返す
相手の言葉を受け止めるスキルとして、相手と同じ言葉を繰り返すのも有効です。
このスキルは、「オウム返し」、「リフレイン」と呼ばれることもあります。
例えば、「やる気がわかないんです。」という相手に「やる気がわかないんですね。」と返す。
「試合で勝ってうれしかったんです!」という相手に「うれしかったんだね!」と返す。
相手の言葉から、感情やキーワードを拾って繰り返して伝えるスキルです。
繰り返されることで、相手が考えを整理することにも役立ちます。
実践しやすく、効果も感じやすいスキルの一つだと感じています。
ただし、1対複数の授業場面などでは、オウム返しの使い方にご注意ください。
教員側のオウム返しは、発言する子どもの態度や、周りの子どもたちの聴く態度を低下させる恐れがあるからです。
子どもたちが大事なキーワードを見つけられるように、みんなで聴く習慣をつくっていきたいところですね。
相手のペースやトーンに合わせる
話すスピードや声のトーン、あいづちのタイミングを相手に合わせることで、話し手に安心感をもってもらうスキルです。
相手に適度に合わせることで、話しやすい雰囲気をつくることができます。
相手の言葉を待つ
相手が言葉につまっても、途中で代弁したり急かしたりせずに、相手の言葉を待ちましょう。
気もちにゆとりをもって、最後の言葉までじっくり向き合いたいところです。
要約や言い換えで確認する
相手の話が終わったら、要約したり言い換えたりして相手の考えを確認をします。
要点がずれてしまうと、相手にモヤモヤを感じさせることがあるので、言葉には細心の注意を。
「すぐに飽きる」→「新しいものをキャッチする力がある」など、同じ事柄に対する見方を換える言い換え(リフレイミング)も相手の新たな気づきにつながるかもしれません。
子どもに伝える聴き方「あいうえお」
小学校低学年の子どもたちには、「あいうえお」作文にして伝えたこともあります。
- 「あ」相手を見て
- 「い」いい姿勢で
- 「う」うなずきながら
- 「え」笑顔で
- 「お」おわりまで
態度や表情、反応を返す、最後まで聴くということを伝える内容になっています。
私もまだまだ練習中なのですが、傾聴スキルを身につけることで、関わる子どもたちにも聴くことのよさを伝えていきたいと思っています。
傾聴は相手との信頼関係をつくる第一歩
この記事では、コーチングのスキルの一つである傾聴についてポイントをまとめました。
「聴く」という字が表すように、耳で、目で、心で…全神経を相手に向けて話を聴くことが傾聴だと言えます。
- 言葉に耳を傾ける
- 相手のことをよく見て、表情や動きの変化を読み取る
- 言葉の裏にある心の動きを感じる
このような態度で相手に接することは、ただ聞くよりもかなりのエネルギーを使います。
毎日の会話の中で少しずつ意識しながら、身につけていきたいものです。
今日もあなたの1日が素敵なものになりますように♪
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